9月21日の日記

彼女のために、少しでも苦労が軽減されるよう、真剣に、心を込めて取り組んだ。
心を入れ替えて、取り組んだ。
その彼女に、もうあと30分で、死ぬほど罵倒され、今度こそ離婚を切り出される。
自分が、お使いの最中傘をなくしたからだ。彼女はこれを、注意力の致命的な欠落と、節約している家計の許しがたい浪費と受け取るだろう。
朗らかに言おうが、哀切を以って告げようが、その態度もまた罵倒を喚起するだろう。

ああ、飲みを断った残業中に、人の尻拭いをして、新人深く、懇切こめて人の愛に縋った結果が、祝日の総てを台なしにし、彼女に取り返しのつかない心の傷を負わせ、そして自分の身の破滅！

ああ、なんと救いのない、なんと不幸にみちみちた、我が存在どあることよ。